江國香織さんの本は何冊か読んでいる。
ほんとのことを言うと、結構好きだったりする。
「ほんとのことを言うと」などと注釈を付けたのは、ちょっぴり気恥ずかしいからである。
女性の目線での(彼女の作品は、主人公が男性であっても目線は常に女性だと感じる)精緻な描写によって描き出される男女の機微に、男性として正面きって好きだと言うのが、どうにも、こっ恥ずかしいのである。でも、好きなものは好きなのだ。(言っちゃった。)
さて、映画化されることになった本作、詩史役に黒木瞳さんは完璧なキャスティングだと私は思う。というか、読んでいて彼女以外の容姿が思い浮かばないくらいである。詩史の清潔感、透明感、陰影、その全てに黒木さんぽさが出ているようにさえ思える。江國氏が彼女を念頭に置いて書いたのではないかとすら思えるほどに、私の中では詩史は黒木瞳さん以外にありえない。
小説については、静かな音楽に身を委ねている心地よさと切なさ、といった感じでしょうか。
なんていうんでしょうかね、江國さんの描き方には、ヒトへの優しさが感じられるんですよね。
そして、淡々とした展開で、淡々と終わる(というか、作品の中の人物達はそのまま生き続けていると感じられる)あの描写。江國チックですね。









