年末に読み始めて、今頃読み終わりました。読書好き、かつ、読むのも早いと自負しているのですが、雑事に追われてなかなかゆっくりと江國ワールドを愉しむ時間がとれませんでした。おかげで、積ん読が大量に貯まってきてます。少しずつ片づけていこうと思います。

さて、本書、まずはそのステキなタイトルに賞賛を。自分も本当にこんな風に生きて行けたらと思っています。そして、このタイトルは主人公である3姉妹の家訓でもあります。「のびやかな」彼女達は、家訓のとおりに生きているようでいて、決してそんなに簡単ではありません。

DVに怯えつつもそこにしか自分の居場所をみつけられずにいる長女、颯爽と仕事も男もこなしつつも男無しでは生きていけない次女、誰かに必要とされることを望み関係を重ねる三女。それぞれの人生には、共通の家族の強すぎる絆があり、それ故にのびやかすぎてしまい、男との関係をうまく構築できないでいます。皆それぞれ矛盾や欠陥や破綻を抱えながら生きていて、そこは仲の良い姉妹ですら共感したり同調したりできない独自の部分なのでしょう。決して彼女達だけの話ではなく、我々の中にもあるであろう、暗い寂しいところなのかもしれません。

物語は、いつもの平坦な江國節とは少し趣が異なり、長女を中心としてストーリーが着実に進んでいきます。相変わらずの人間描写、心理描写、静物描写はさすがです。小さな情景描写の一つ一つが重なり合って物語の奥行きを出す表現力に、またもヤられてしまいました。

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