夕方、本屋で見つけて、帰って一気に読んでしまいました。

若年性アルツハイマーと診断された50歳のサラリーマンの、日々失われていく記憶と戦う様が克明に描写された、切なく、考えさせられる作品でした。

記憶とは何なのか、記憶がなくなった自分は本当に自分なのか、もしかしたら記憶こそが唯一の自分の存在証明なのか、記憶を媒介に過去、現在、未来の意味を考えさせられる、そんな内容です。

長期間の痴呆の末に息を引き取った祖父のことを思い出しながら、決して人ごとではない現実を感じながら、それでも決して苦しくはない読後感は、著者の心の中の希望が描かれているからでしょうか。

生きること、生き続けることへの愛しさと切なさと優しさが詰まった本作、同じ「記憶」を扱った「博士の愛した数式」とともにオススメです。

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