将棋の羽生さんの本です。
自分で言うのもなんですが、あんまし決断力がある方だとは思ってないんですよね。知識を増やせば増やすほど、考えるフレームワークが増えて、結果的にリスクがいっぱい見えてしまって、なかなか決断できない優柔くんになる場面が多かったり、一方で考えることを放棄して直感だけで進んだり(決断してない)ってことがたまにあったりします。とはいえ、ビジネスの世界は決断の繰り返しですし、立場上それを求められることも多いわけで、なかなかに苦労しちゃったりしてたりするわけです++;
まあ、そんな自分の性格をわかっているが故に、決断力に関する本とか、過去にも結構読んだりしてるんですが、この羽生さんのが一番腹に落ちた感があります。技術的なことをあれこれ書いてある本はたくさんありますし、精神論を宗教的な色彩で書いてある本もあるのですが、これは実際の戦場で鍛えてきた彼のあるがままの心境が平易な表現で綴られてます。

いくつか気に入ったところ。
史上初の七冠をとったあとに、米長先生から言われたという言葉。

釣った鯛を例えに、
「じっと見ていてもすぐには何も変わりません。しかし、間違いなく腐ります。どうしてか?時の経過が状況を変えてしまうからです。だから今は最善だけど、それは今の時点であって、今はすでに過去なのです。」

勝負には場の力が影響しているということについて、
将棋に限らず、勝負の世界では、多くの人たちに、どれだけ信用されているか、風を送ってもらうかは、戦っていく上での大きなファクターであり、パワーを引き出してくれる源である。

決断は自分の中にあるということについて、
現状に満足してしまうと、進歩はない。
物事を進めようとするときに、「まだその時期じゃない」「環境が整っていない」とリスクばかりを強調する人がいるが、環境が整っていないことは、逆説的にいえば、非常にいい環境だといえる。リスクを強調すると、新しいことに挑戦することに尻込みしてしまう。リスクの大きさはその価値を表しているのだと思えば、それだけやりがいが大きい。そちらに目を向ければ、挑戦してみようという気持ちも起きてくるのではなかろうか。

才能とは継続できる力であるとして、
何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続してやるのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。

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