ライブドア事件の詳細を克明に記録したルポルタージュ形式の本書。
ネットで話題になっているということで、遅まきながら読み終えました。
不謹慎な表現ですが、単刀直入に面白いです!
多くのこの手の本が事件をただ事実の羅列と曖昧な推測とで面白おかしく悪者を創り上げていくのに対し、本書は堀江、宮内、村上、三木谷(敬称略)といった個人の過去体験に踏み込んで人物像を浮き彫りにしながら、かかる原体験が事件にどのような形で投影されていったのかを描写しつつ、決して誰かを故意に悪者にすることなく、何が正しく何が間違っていたのか、その検証を徹底的に行うという手法をとっていることを、素直に評価します。
ヒルズを悪魔の巣くうバベルの塔になぞらえるあたりは、表現力としても冴えわたっています。
本書では、を時代の過渡期に必要であった国策操作という表現で、行きすぎた市場経済へのブレーキとしての事件価値に言及しています。その点については、証拠不十分な立件や強制捜査の方法、最終的な結末への落とし方など、私自身が疑問に感じていた部分についても納得のいく説明ともいえます。
事前に多くの取材をこなしていたでしょうが、それでも短期間(初版4/30です)でここまでしっかりとした事件検証を書き上げ出版する著者と朝日新聞社には、敬意を表したいと思います。
一時代の終焉を告げる事件の記録として、メディアとITの融合とはいかに進むべきかを考える意味でも、多くの方に必読をオススメします。









