松岡圭祐氏の「千里眼」シリーズ、今回も上下巻構成の長編大作でした。

今回の舞台はイラク。毎度毎度、時事問題を適切に小説に組み入れ、圧倒的なスケール感(ある意味荒唐無稽)とリアリティとを両立させる筆力はさすがとしか言えません。

テーマは、ヒトは何故戦うのか、戦争は何故無くならないのか。

重厚なテーマに、心理学的理論を用いて戦時集団興奮心理状態なる説を提示し、主人公岬がこれを命をかけて実証することで平和への一歩が刻まれていくという、まさに松岡ワールドならではのアプローチで迫った傑作です。

「千里眼」シリーズ、ここ1ヶ月ばかり続けて一気に読んできたせいで、ちょっと食傷気味だったのですが、本作でまたこのシリーズの素晴らしさに出会えた気がします。

正直言うと、後半、ちょっと泣いてしまいました。

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