松岡圭祐氏の最新作です。帯のプロモーション文を読んでしまうと、これは文庫化まで待てないと思って購入してしまいました。松岡シリーズゆえに、文庫化で大幅加筆されると思いますので、おそらく文庫も買うことになるでしょう。
松岡作品の三大シリーズ巨頭である、「千里眼」の岬美由紀、「催眠」の嵯峨敏也、「ニュアージュ」の一ノ瀬恵梨香が揃い踏みで登場する本作、登場人物だけではなくテーマも壮大です。
血液型性格分析を真っ正面から否定する、というもの。
TVのバラエティ番組などで血液型による性格の違いが面白おかしく取り上げられている昨今の時勢をとらえ、それがいきすぎた結果、血液型が変わるから骨髄移植を受けないという白血病患者が現れるという設定。
時事性でいうと、ブログが本になってドラマや映画になっていった話も織り込まれています。このあたりの時事ネタを巧みに取り入れるところが松岡作品の面白さでもあります。
また、釈由美子さんが岬美由紀のイメージ1位に輝いたことを使って、TV局のプロデューサーが岬を釈さんと間違うところ(「弁護士役、板についてましたね」との台詞)なんかも、粋ですね。
「千里眼」シリーズと異なり、岬のハードアクションはほとんどなく、白血病を患う嵯峨への思いで揺れる女性としての岬と、彼女を尊敬し支える一ノ瀬、そして自らの命を犠牲にしても目の前の人を救うという決意で揺るがない嵯峨、と非常に人間味あふれる作品になっています。「千里眼」シリーズで融合した三者ではなく、それぞれのシリーズの主人公である三者の競演という形なので、辻褄の合わないところもありますが、やはりパラレルワールド的と捉えるべきでしょうか。
それはともかく、読み出したら止まらない、このリーダビリティは、やはり松岡作品ならではでしょう。
まずは、松岡氏による、究極の血液型心理検査を一度お試しあれ。私はめちゃめちゃ当たりましたよ、悔しいけど。
そして、本作を読んで何故当たるのか、その謎を解き明かしてください。
過去の松岡作品を読んで各作品の登場人物とその背景を知っていた方が間違いなく面白いのですが、過去作品無しでも十分に楽しめる作品だと思いますので、五つ星にしました。









